2010年10月15日に北海道立道民活動センター「かでる2・7」において「産業保健における連携」を大テーマに掲げ、標記リレーワークショップが開催されました。
今回のリレーワークショップでは「働く人の健康のための経営・人事部門との連携」について討議がなされました。
職域保健で最も重要な役割を果たし、最も連携が困難な人事部門との問題を3つの課題に集約し、産業保健の視点から対策がまとめられました。「人事経営部門の姿勢、知識不足、立場」に対しては、長期的活動のメリットを働きかけること、言語を統一し共通の課題を相互理解すること、専門家の活用、および事例を積み重ねて提示すること等の意見が挙げられました。
「情報の共有化、コミュニケーション不足」に対しては、リスクコミュニケーションの活性化、データを数値化し可視化すること、そして好事例の集積をベースにして多様な成功モデルを提案する等の意見が出されました。
「産業保健スタッフの活動評価、指標」に対しては、スキルアップし、質を向上させること、他部門資源を有効利用しネットワークのしくみを形成すること等が提案されました。
産業保健職は組織のことを理解し、経営・人事部門に組織的な改善点や制度的な問題点を明確に意見することが大切です。そのために産業保健職は専門家として幅広い分野の知識や組織での多くの経験が必要であると考えます。
リレーワークショップでは働く人の健康への関わりとその改善について実践的な提案を研修することができます。産業歯科保健部会の皆様の積極的なご参加を期待しています。
(報告者:愛ファミリー労働衛生研究所 岡本愛子) |